ホームページ制作において、現時点(2011年1月)で最も理想とされる「1ページ1コンテンツ」のページ構成は、検索エンジンが推奨するページ構成であり、ユーザーにとっても分かりやすく利便性の高いページ構成と言えます。
(その他にも「1ページ1コンテンツ」のページ構成は、アクセス分析の際、ホームページ訪問者の傾向を正確に見極められるので有用です。)
理想的なホームページの「1ページの在り方」についての変遷
ホームページ制作の見た目上で一番顕著に変わったのがこの「1ページの在り方」の部分かも知れません。
かつて、トップページは1画面に収まるレイアウト&デザインで、トップページ以下のウェブページの1ページの長さもせいぜい3スクロールぐらいまでに抑え、それ以上は別のページ※で、というのがホームページの理想的分量とされていたものです。
※1つのコンテンツを複数ページ分けることをページネーションと言います。
その背景のひとつには通信インフラが今ほど発達していなかったことが挙げられます。
長いページだとウェブブラウザーがホームページを読み込むまで時間がかかってしまい、全部表示されるまでユーザーはイライラしながら待つ必要がありました。それを嫌ってページ分割が推奨されていたわけです。
「1ページ1コンテンツ」のページ構成の優位性
「1ページ1コンテンツ」がホームページの理想とされるようになったのには、いくつかの背景があります。その背景について、検索からだけの視点ではなく、ホームページ制作の観点からも考えてみましょう。
「1ページ1コンテンツ」が理想とされるようになった背景〔1〕
今ではインターネット回線の通信速度が速くなり、ウェブページの読み込み時間は格段に短くなり、読み込み時間を気にすることは(一部の Flash コンテンツなどを除いて)ほとんどなくりました。
また、ホームページを読み込むパソコン画面も大きくなり、解像度も上がって、一度に表示できるホームページのコンテンツの量も多くなっています。
パソコンのディスプレイの多様化により、かつて言われていた「ホームページの天地(=高さ)のサイズは480〜540pxを目安に制作すべき」という考え方もあまり通用しなくなりました。(ちなみに自分のディスプレイの天地は1600pxもあります。)
以前のように高さ480pxぐらいを目安にホームページを制作すると、ブラウザーの下の部分がスカスカで、かえってホームページの見栄えが悪くなってしまうことにもなりかねません。
下手にホームページのコンテンツを少ないスペースに収めようとして、本来必要な情報を割愛し伝わりずらくするよりは、スクロールしてでもその場で情報をしっかり得られるようにしておくほうがユーザーにとって有益で利便性が高くなるというわけです。
「1ページ1コンテンツ」が理想とされるようになった背景〔2〕
ホームページの規模についても、今と比べると以前のホームページは圧倒的に規模が小さいものでした。第2階層のファイルと言ってもフォルダの中に1ファイルというのがざらにあったものです。(ファイルの階層については前ページ「検索エンジンが好むホームページ構成でのサイト設計」のホームページ構成図を参照。)
フォルダの中に1ファイルですから、たとえそれを3ページ(=3ファイル)に分けても、ユーザーが迷って、迷子になることはなかったわけです。
それが、今はどうでしょう。ホームページの規模は大きくなり、第2階層のファイル数もかなりの数になることもしばしばです。そうなると、ファイルが長いからと言ってそれを細かく分割していたのでは、ユーザーが階層内のファイル全体を見通せなくなるばかりか、ホームページ運営者によるファイル管理も面倒になり、かえって利便性を欠く結果になってしまいます。
「1ページ1コンテンツ」が理想とされるようになった背景〔3〕
通販サイト、とりわけ楽天市場で売上好調な商品のページをみると、1商品1ページで、しかも文字や写真も多く、結構な分量があることが判ります。
考えてみてください。2、3千円の商品1アイテムを紹介するページが5ページにも渡って説明されていたとしたらどうでしょう? ページをまたいで説明を読んでいるうちに、だんだん購入意欲がそがれていまうことにはならないでしょうか。
何ページにも渡ってページをみるより、1ページの中で上から下へと説明をみていくほうがずっと楽ですし、購買意欲も増すというものです!
売れるネットショップの「1ページ1コンテンツ」
実は、売れるネットショップは、1ページ内で上から下に説明を展開する上で、お客様に買う気を起こさせるような仕組みをきちんと作っています。いわゆる “ストーリー性のある見せ方” と言われるものです。
“ストーリー性のある見せ方” では、「1ページ1コンテンツ」というのは売るための必然的なページ構成なんですね。
「1ページ1コンテンツ」の原則
現在はグーグルの検索エンジンを使っているヤフー検索ですが、変更前の2010年7月に行われたヤフー検索のアルゴリズム(=検索で順位を決めるためのルール)の変更による検索順位への影響の分析結果では、ヤフー検索では「1ページ1コンテンツ」で、しかも「1ページの分量の多いウェブページ」のほうが検索結果でより上位表示されるという結果でした。
ヤフー検索に比べてホームページの内部要因より外部要因※を重視するグーグル検索においては、1ページの分量の違いがどれほど検索順位に影響するかは諸説あり、定かではありませんが、「1ページ1コンテンツ」の原則が有益であることには変わりません。
デザインクロスでは、検索エンジン対策的に有利とされる「1ページ1コンテンツ」の原則に即したホームページ制作を行います。
※検索エンジン最適化における内部要因と外部要因については、「検索結果の順位に大きく影響する4つの要因と弊社のSEO対策」をご覧ください。
ウェブページの表示時間ルールは、今や2秒台へ?
EC(電子商取引)サイトにアクセスするユーザーの3分の1は、ウェブページが表示されるまでの時間が8秒以上かかると買い物をやめてしまうという調査結果があります。
これは10年ほど前の調査結果です。
(米国の調査会社ゾナ・リサーチが1999年7月に発表した市場調査結果)
その後、これは “8秒ルール” という名称で、2000年頃からホームページ制作者に広まっていきます。
優れたホームページ制作者は、ホームページの1ページが8秒以内で表示されるように、画像データなどを軽くする努力をしたものです。
時代が進み、通信インフラが整い、ウェブページの表示速度が高速化すると、あまりウェブページの表示速度を気にすることはなくなってきました。
ところが、表示速度をあまり無視するのは賢明でないみたいですね。
コンテンツ配信ネットワークの米国最大手 Akamai(アカマイ)からの依頼でフォレスター・コンサルティングが2009年8月におこなった、ネットショップにおけるページ表示速度の調査データが公開され、Web担当者フォーラムで取り上げられていました。
その調査結果によると、
ウェブページの表示にかかる時間が3秒を超えると、
40%の消費者がそれ以上待つのをあきらめてしまう。
従って、全体の半数に対してイライラを感じさせないためには、
2秒台以内の表示が望ましい。
とりわけよくネット購入するヘビーユーザーの方が、
ウェブページの表示時間にナーバスになるという結果でした。
この結果からも、通信インフラが進歩したとはいえ、ホームページの表示速度の向上(=表示時間の短縮)には、絶え間ない努力が必要だと思い知らされます。
ちなみに、表示速度という面では、ウェブページの文字量は、データとしてはメチャメチャ軽いので、それほど関係ありません。
注意しなければならないのは、データの重い画像や動画、そして複雑なプログラムとなります。
(2010年5月15日付のデザインクロスのブログ「ウェブページの表示時間ルールは、2秒台へ?」からの再掲。一部再編集しています。)
デザインクロスの検索エンジン対策(検索エンジン最適化・SEO・SEM)
- 最適なウェブサイト名とドメイン戦略
- 検索エンジンが好むホームページ構成でのサイト設計
- 検索エンジンが推奨する理想的なページ構成
- 検索エンジンにとって分かりやすく、高評価につながる的確なリンク設定
- インターネット世界での需要を割り出した上での検索キーワードの本文中への使用
- 検索エンジン対策と販売促進を両立させる言葉使用のテクニック
- ウェブ標準(W3C準拠)でのホームページ制作は当然として、さらに上を行く表示速度高速化コーディングとセマンティック・ウェブに基づくサイト制作
- プログラムやスクリプトは検索エンジン対策的にマイナスになるものを避け、むしろプラスになるものを積極使用
- ホームページの細部にまでいたるデザインクロスならではのこだわり制作のノウハウ