ウェブ戦略では、最適なウェブサイト名の選択とドメイン戦略は検索エンジン対策としてはもちろん、ホームページのブランド化(=ブランディング)とホームページを育てるという観点からとても重要になります。この2つで失敗すると、ホームページが大きく育つまで結構な遠回りをすることにもなりかねません。最初からしっかりとした戦略で臨みましょう。
最適なウェブサイト名(=ホームページ名)の選択
最適なウェブサイト名(=ホームページ名)を選ぶことの大切さは、他のホームページとの名称による差別化と実際にホームページのタイトル(ホームページのタイトルは検索エンジン最適化の最重要要素)に入る※という点にあります。
※ホームページのタイトルとは、ホームページ内に表示される文章のタイトルのことではなく、通常ウェブブラウザーの上部に表示されるもの(下画像を参照)を指します。
ホームページのタイトルは検索エンジン最適化において最も重要な要素のひとつ。
検索エンジン対策という視点から考えれば、
- 〔1〕
- 他のホームページとの名称による差別化では、
他のウェブサイト名と異なる唯一無二の名称であることが望ましい。 - 〔2〕
- ホームページのタイトルに入るという点では、
検索キーワードとの対象として最もふさわしい名称であることが理想。
ホームページ制作におけるデザインクロスの検索エンジン最適化とウェブ戦略では、この2つのポイントを意識して最適なウェブサイト名の選択・命名を行います。
2つのポイントをおさえたウェブサイト名の例
この2つを意識したサイト名を一番よく目にするは家電通販ショップ名です。
家電通販は一番のネット激戦区=検索激戦区ですから、よっぽど高いブランド力がない限り、普通なサイト名ではまず太刀打ちできません。
例えば、香川県でデジタルカメラを扱うお店のサイト名と会社名は次の通りです。
サイト名:デジカメ・デジタル一眼の激安通販ショップ、デジカメオンライン
会社実名:株式会社ピクチャリング オンライン
「デジカメオンライン」というサイト名はありそうでない名称で、しかもしっかり「デジカメ」という検索キーワードが入っています。よくできたサイト名です。
普通なサイト名、例えば「ハセガワ電機店」などという名称では、なかなかネット通販内の激戦には勝てそうにありません。
通販ショップの場合、必ずしも実店舗名とネットショップ名が同じである必要性はありませんから、ウェブ戦略に合ったウェブサイト名で勝負するほうが得策となります。
ウェブサイト名の失敗から学ぶこと(実際に山形県で起こった出来事から)
2010年、山形県内にある公立の小学校が統合により新しくなる際、小学校名を公募。審査の結果「さくらんぼ小学校」(さくらんぼは山形県の特産品です)と仮決定。「さくらんぼ小学校」という歌詞が入る校歌も既に決まっていましたが、その後「さくらんぼ小学校」というそこそこ有名(?)なアダルトサイトがあることが判明。学校側は、急きょ「さくらんぼ小学校」という新学校名を撤回、このインターネット時代に、ちゃんと調べもしないで「さくらんぼ小学校」という名称を選んでしまったことを謝罪する羽目に至りました。
ホームページの名称や何か商品の名称など、ちょっと調べればすぐに判ることであるにも関わらず、やはりと言うか、必ずしも全てに頭が回っているわけではないということを改めて思い知らされる出来事です。
学校側の話はそれで終了となりましたが、ウェブ(検索)のプロとしては、もう少しこの話題を掘り下げてみたいと思います。
今回の「さくらんぼ小学校」という名称では、先にアダルト系サイト名として使われていたとのことですが、逆のケースもあります。
だいぶ前の話ですが、結構話題になったネタです。
アメリカ政府の「ホワイトハウス」のサイトと同じ名称「ホワイトハウス」というポルノサイトが登場し社会問題になった出来事です。(正確に言うと、トップレベルドメイン名の前に付く名称が同じ。前者が「whitehouse.gov」、後者が「whitehouse.com」。英語圏の場合、ドメイン名=サイト名のケースが少なくない。現在は紛らわしい名称=ドメイン名は使えなくなっている。)
日本の場合、英語圏と違い、必ずしもドメイン名=サイト名ではないので、かえって同様の名称を付けられる可能性が高いと言えます。
また、ドメイン名には「早い者勝ち」という大前提があり、さらにその後、パクリのドメイン名は付けられない方向になっていますが、サイトのタイトル名についてはドメイン名のようなルールは存在しません。
サイト名を商標登録したとしても、あるいは、商標登録してある名称をサイト名に使ったとしても、その名称と同じサイト名が使われた際、そのことを問題にし、裁判に持ち込んだとしても、裁判結果はケースバイケースというのが現状です。
実際、サイト名に関しては一定のルールなど存在しないわけですから、仕方ない面もあります。更にドメイン名はドメイン名の別のルールで成り立っている点も事態をややこしくしています。
話を最初に戻せば、「さくらんぼ小学校」という名称の学校名で話を進めても、おそらく数年後には検索上位には小学校のほうがより多く表示されることになっていただろうと考えられます。公立の施設や公共性の高いホームページは比較的に簡単に検索結果の上位に表示されますから。
とは言え、やはり理想は、最初からウェブサイト名(関連検索も含め)とドメイン名はきちんと調べた上で、施設名や会社名あるいは実店舗名を決めた方が無難だと言えます。
会社案内的な企業サイトや実店舗のウェブサイト名について
会社案内的な企業サイトや実店舗の宣伝のためのホームページの場合、実際の会社名や店舗名をウェブサイト名にするケースがほとんどで、あまり選択の余地は残っていません。
その反面、会社案内的な企業サイトや実店舗の宣伝のためのホームページの場合、商圏が比較的限られてきますから、サイト名にその会社やお店がある地域名・ローカルエリア名を含めることで、会社やホームページの差別化と検索エンジン対策をとることができるわけです。
日本にはこんな社名が多い
2008年の東京商工リサーチ調べによると、日本国内における最も多い社名ランキングの順位は次の通りです。
- 1位 アシスト
- 429社
- 2位 ライズ
- 382社
- 2位 サンテック
- 382社
- 4位 佐藤工務店
- 380社
- 5位 アドバンス
- 363社
- 6位 田中工務店
- 356社
- 7位 鈴木工務店
- 348社
- 8位 トラスト
- 347社
- 9位 アクト
- 341社
なんと1位のアシストさんは400社以上もあります。
ホームページの検索エンジン最適化(=SEO)を仕事としている者からすると、何もそんな社名にしなくても、と思ったりもしますが、それぞれちゃんと思い入れがあって名付けたのしょうから、その創業の理念は尊重しなくてはいけません。
とは言え、やはり検索エンジン対策やブランド化(=ブランディング)にとっては、あまり好都合とは言えないのも事実です。
独自ドメインでのホームページ運営はウェブ戦略の基本
検索エンジンの評価は基本、ドメイン毎に行われていると考えてください。もし独自ドメイン以外でホームページを運営しているような場合(ただしショッピングモールサイト内での運営は除く)、早期に独自ドメインに切り替えることを強くオススメします。
その際、当サイトの「ホームページのリニューアル時の思わぬ落とし穴」でも書いていますが、切り替え時には、それまで蓄積された検索エンジンからの評価を多少なりとも継承するようにしましょう。
ドメイン戦略について
一社で複数の店舗を展開する場合やグループ企業が沢山あってそれぞれ別のホームページがあるような場合、また、巨大なECサイト(=電子商取引サイト、ショッピングモールサイト)を展開する場合、ドメイン戦略をどうするか、さらには複数ドメイン・サブドメイン間でどのように相互リンクを張るかで検索結果への掲載のされ方や検索結果の順位が大きく異なってきます。
また、ドメイン戦略については検索エンジン側がドメインやサブドメインをどう扱うかによっても大きく舵取りを変える必要があります。
その一例を挙げましょう。
2010年夏グーグル検索は、2000年頃からずっと守り続けてきた「検索結果には、同一ドメインから2つまでのウェブページしか載せない」という大原則を撤廃。現在は検索キーワードとの関連性が高い場合、通常、同一ドメインから4つまでのウェブページを検索結果に表示。さらにもっと関連性が高い場合、より多くの検索結果を同一ドメインからでも表示するようになっています。
(2010年12月以降、ヤフー検索もグーグルの検索エンジンを使っているため、同様に同一ドメインから複数のウェブページが表示されるようになっています。)
デザインクロスのブログの中でも数多くドメインについては取り上げていますから、興味のある方はご一読ください。中でもお奨めは次の記事(長文)です。
グーグルが「検索結果には同一ドメインから2ページまで」の原則を撤廃した後のウェブ戦略について
さらに上のブログ記事に加えて、楽天市場さんが日本でのドメイン戦略の失敗の経験を活かし、2010年秋オープンの中国の楽天市場ではドメイン戦略を変更してきたことについて、次のブログ記事内で部分的に取り上げています。
複数サイトの上手なドメイン戦略(=運営方法)は弊社デザインクロスが最も得意とするジャンルのひとつです。ぜひご相談ください。
今後の検索エンジンの動向の予測も含め現時点で最適と考えられるドメイン戦略をご提案させていただきます。
デザインクロスの検索エンジン対策(検索エンジン最適化・SEO・SEM)
- 最適なウェブサイト名とドメイン戦略
- 検索エンジンが好むホームページ構成でのサイト設計
- 検索エンジンが推奨する理想的なページ構成
- 検索エンジンにとって分かりやすく、高評価につながる的確なリンク設定
- インターネット世界での需要を割り出した上での検索キーワードの本文中への使用
- 検索エンジン対策と販売促進を両立させる言葉使用のテクニック
- ウェブ標準(W3C準拠)でのホームページ制作は当然として、さらに上を行く表示速度高速化コーディングとセマンティック・ウェブに基づくサイト制作
- プログラムやスクリプトは検索エンジン対策的にマイナスになるものを避け、むしろプラスになるものを積極使用
- ホームページの細部にまでいたるデザインクロスならではのこだわり制作のノウハウ